ジョーカー

ホアキン・フェニックスの「ジョーカー」を観てきました。

現実と妄想が行き来する内容で、どれが真実でどれが虚構なのかはっきりしないモヤモヤ感があります。社会の残酷さが夢を生きようとした人間にアイデンティティーの崩壊を引き起こし、彼の起こした犯罪をヒロイズムとしてはやし立てる社会が孕んでいた狂気を目覚めさせてしまうのです。彼が裏切られ傷ついて行き場のない状況に追い込まれる様は感情移入できますが、狂人として変わっていく様はやはり「ジョーカー」誕生の映画なんだと思いました。現実と妄想を見せながらぐいぐいと映画に引き込む手法は見ごたえあったし、社会の二分化の現実や民衆の無責任なヒロイズムの煽りを見せつけられて考えさせられるものがありました。後半狂人として変貌するアーサーはピエロの化粧の上からも顔つきが変わっているのを感じました。ホアキン・フェニックスってやはりすごい。アクが強いロバート・デ・ニーロが普通に見えてしまって一瞬わかりませんでした。役者ってすごいですね。

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ホアキン・フェニックスが気になったらぜひ「グラディエーター」を観てください。だんだんと狂気に引き込まれていく彼の演じるコモドゥス帝も鳥肌がたちます。