お正月になると思い出すこと

今日は姑の本命日です。享年は93歳。大往生とも言えますが、1月2日の朝に軽微な脳出血が確認されて緊急入院。そのまま意識が戻らず4日から5日に日が変わり間もなく亡くなりました。昨今家族全員が見守る中息を引き取ったのは異例のような気がします。正月が来ると必ず思い出します。

本格的介護が始まったのはその前年でした。どこにも行きたくない、ここに置いてくださいと頭を下げる義母のためうちで介護しました。お風呂に入れられなくなった時、介護サービスを受ける決心をして区役所に行き認定申請をし、1か月後に訪問調査の日取りが決まりました。年末にかかりつけの医師の訪問医療を受け年明けに再度診察する予定でもいました。しかし、すべて何もうけないうちに義母は亡くなりました。

元旦の朝、寝間着から新しいセーターに着替えさせていると義母が、「お正月だから新しい洋服を着せてくれるの?」と尋ねました。「そうだよ。」と言うとコクリと頷いて、「あんたには世話になったね。ありがとう。」と一言。その時なんだか最後の挨拶のような気がして素直じゃない私は頷いただけで言葉を返しませんでした。それだけが心残りで、「おばあちゃん、私もありがとう。」と一言言えればよかったのに。

まだらボケはあったものの最後までしっかりしていた義母。ギリギリまで自分で身の回りを頑張った義母。年があけ月が変わったのを確認したのは年金支給のことも多分念頭にあっただろうと思います。私がもっと年老いたらおばあちゃんのように生きられるだろうかと考えると多分できないと思う。大正、昭和、平成と生きた義母の強さを想います。